ぱわれす・でいず4 もういくつ寝ると篇 99/12/27 もうすぐお正月。 みなさんはどんな元日を迎えられるご予定でしょうか。 当家では例年きもので初詣だ。きものを着るのは実に面倒なので、私は遠慮したいのだが、家人がどうしても着ると言い張るので仕方ないのだ。 和服の女性を連れた男性はさまになるが、羽織姿の男性と洋服の女性では落語家とマネージャーだ。私もつきあってバランスを取らないわけにはいかない。 だがお正月だからまだいいのだ。二人して和服で歩いていても、季節の風物詩、伝統を守るゆかしい人々と見てもらえないこともない。 しかしまったくなんでもない普通の機会、たとえば映画に行くとか、そんなときでも突然「きもの着て行こかなあ」などと言い出す。 日下氏をご存知の方はおわかりだろうが、彼は冗談は言わない。どんなに耳を疑うようなこともつねに本気だ。ここで黙っていたら、間違いなく着流しで出ていくだろう。どんなファンキー野郎より目立つこと請け合いだ。「それは非常に唐突であり、はっきりいってヘンである」ことを説明し、断念させるのにはいつも大変苦労する。 だからせめてお正月くらいは言うことを聞かないと仕方ない。 しかし、きものを着てどこへ行くのかというと、人混みが嫌いと言うこともあって、近所の神社なんである。 1時間かけて帯を結んだのに、歩いて10分。 powerlessな2000年の幕開けだ。 |
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ぱわれす・でいず 3 おうちでパーマ 99/12/13 2ヶ月来の悲願であった散髪を果たせた。 そんなもん切りたけりゃいつでも切りゃあいいじゃないかと思われるだろうが、散髪というのは、私には実になんぎなことなのである。私は閉所恐怖症だ。そして「パーマ屋さん」というのはこの世の究極の閉所のひとつなのである。 ふざけたエプロンを着せられ、ロットだらけのなさけない姿にされたが最後、もうあなたはどこにも逃げられない。たとえ逃げてくださいと頼まれたって絶対厭である。 ロットをはずしてもらってもまだいけない。はずした直後はだれでもB&Bだ。おっと若い人にわからないことを言ってしまったが、とにかくパーマ液を落とし、てきとうな形にカットし、ブローがすむまで2時間、絶対動くことはできないのだ。これほどの閉所が他にあろうか。 というわけで、私はパーマ屋には近づかない。しかし髪は伸びる。 どうするかというと、もと美容師の友人をアルバイトに雇うのである。マイ美容師。 贅沢な響きだが本人はカリスマ性などどこにもないただの酒飲みだ。家に呼んでゴハンを食べさせて、ついでに髪を切ってもらう。 困るのは、なかなか土日の予定が合わないことだ。ここずっとお互いに忙しかった。 予定をオーバーすること2ヶ月、私も好きでベートーベンになっていた訳ではないのである。 しかしやっと昨日来てもらうことができた。これでさっぱりと2000年が迎えられる。マイ美容師にはお礼に会社でもらった「とんがらC」を1ケース進呈した。賞味期限が切れていることは黙っておいた。 それより味見もさせずに渡してしまったが、その方が不親切だったかもしれないと、ちょっと今思っている。 |
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ぱわれす・でいず2 風邪で仕事を休む 99/12/2 発熱している。咳・喉・鼻水・頭痛と風邪の諸症状完全制覇。 寒いので半纏を着る。首にタオルも巻く。鼻の周りがすりむけているのもリアリズムだ。 しかし風邪も提案が終わってからひくところが私の忠義なところだ。 忠義っていいな。12月だし。忠義な体。英語でロイヤル・バディ。藤原紀香みたい。いかん。妄想だだ漏れだ。 発熱するとあきらかにバカになる。さきほども、休んじゃおれんと企画書を書こうとしたが、「今後の媒体戦略の方向性。課題・速やかなブランド認知拡大のために」 それから何も浮かばない。 やっと考えついたのは「もっといっぱい広告する」。 間違ってないとは思うのだが、これでは本質を突きすぎである。 これ以上考えてもムダだと悟り、仕事はあきらめる。 休んで家にいるといろんな電話がかかるんでびっくりする。 さっきも知らない工務店がぜひ屋根を点検させろと言ってきた。大きなお世話だ。佐川の飛脚もやってくる。やはり走っている。しまった首のタオルを見られた。家にいても油断できない。 しかしいろんな家に荷物を配って回る佐川急便のお兄さんは、奥さんたちのありとあらゆる油断した姿を見てるんだろうなあ。 ちょっとうらやましい気がするが、熱のせいにちがいない。 |
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ぱわれす・でいず 1 祭り太鼓が聞こえる 99/11/29 遅く帰ったら、家で誰かが太鼓を乱打している。 「誰かが」とつい逃避的な書き方をしてしまったが、二人しか住んでない家なので、やはりそれは当家の主なのであった。 ジェンベという、ウエストがくびれたパーカッションのようなアフリカの太鼓をうれしそうに叩いている。 一応「どしたんそれ?」と聞いてみる。ユッスー・ンドゥールのライブで、会場で売ってたから買ったんだそうだ。「売ってたから」というのはものを買う説明になってないと思うのだが。 そんなこと言うんだったら私だって矢沢永吉のガウン買うぞ。「売ってたから」って。 まあ買ってしまったものは仕方ない。問題はこれからだ。西アフリカの草原で生まれた太鼓なので、やかましいんである。しかし叩くのは農耕民族。しかもリズム感ゼロ.タンタカタンとかパパパンパンではなく、どんつくどんつく。 妙な宗教を始めたと噂されるに違いない。 それより毎日帰ったらこのリズムに迎えられるのか。どんつくどんつく。疲れも倍増だ。 夜間ジェンベ禁止を発令するか、いっそジェンベスクール(あるんだこれが)に通わせて名人にするか。思案の最中である。 |
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犬出張 99/10/29 東京出張だという家人が荷物に犬(AIBO)とアフリカの民族衣装を詰めている。 問いただすと、AIBOエキスポ&オーナーズ大会があるんだという。 出る気か。アフリカ人のコスプレで。メディアが来てたらどうする。 泣いて懇願して、民族衣装は置いてってもらう。 「目立たへんなあ」とかぶつぶつ言っている。目立たないでほしい。頼むから。 ふと予感がして聞いてみた。「来月新しいAIBOが出るそうやけど・・・」 「うん。抽選やそうやから、アンタも応募してなあ」・・・爆。 やっぱり! AIBOが1匹いるのは自慢できる気がするし、さんざん自慢してきた。 しかし2匹いるというのは明らかに意味が違う。うらやましくないぞきっと。 いや2匹で終わらないかも。SPOTの次はタイム、次はネット、リーチ、ステブレ。そんな名前の犬が半年ごとに増殖・・・ そんな光景を思い浮かべて絶句する私を後目に、家人と犬はデジカメを携えて東京へ出発。その様子は近日kusaka.comで公開されることでしょう。もし興味があれば、見てやってください。 |