ぱわれす でいず 33 骨董祭り篇 00/10/29

北新地から御堂筋を東へ越えると、老松通りという時間が止まったような古美術街がある。そこで「骨董祭り」があるというので行ってみた。通りにはループタイのおじさん、じいさんが群れなしている。関西一円の「趣味の人」が集結している感だ。
そんな好事家たちに混じるとわれわれは「若造」だ。店主に見向きもされないのをいいことに何百万もする李朝の壺をつついたりして遊んだ。

骨董屋にも色々ジャンルがあって、高級店もあれば雑貨屋もある。「中国美術」というそのまんまな店では中国人店主が「それ掘り出し物よー。ワタシ大赤字よー」と、「マンガにでてくる中国人」トークでループタイに詰め寄っている。

家人は「aiboより安いな」とか「これでaibo4匹か」と何を見てもaiboに換算する。彼の中では「aibo」という金銭単位があるらしい。そしてaibo建てで計算すると何でも「高い」ということになってしまう。

ということで、結局4時間遊んで、買ったものは「インドネシアの魚捕り篭で作ったランプ」と「ペプシマンのキャップ」。それとうちに遊びに来ては電気を消して「怖い話」をしたがるN氏のために「和ローソク」。

古美術でもなんでもない。
* * * * *
aiboといえば、もうすぐ第2世代が発売される。
「どうせ買う気に違いない」と思っていた私は日下氏という人間を甘く見ていた。
「新しいaibo買うん?」と聞いたら「それよりホンダがP3売り出すんやで」。
・・・・・・・
彼の志は遙かに高かったのだ。
ホンダのP3。40aibo。



ぱわれす でいず 32 装備品篇 00/10/22

当HPには「脱力ブックマーク」なるコーナーがあって、「これは」というサイトを集めているのだが、みなさんに紹介したくなるほどのハイレベルな脱力サイトはなかなかないものである。
しかしこのほど、久々に掘り出し物件を見つけた。
http://www.jda.go.jp/jgsdf/subs.html
Japan Ground Self-Defense Force、つまり陸上自衛隊が、「装備品」の「愛称」を募集しているページだ。

このたび陸自は「装備品に対して広く一般の理解を促進するため」に、「主要装備に愛称(ニックネーム)をつけることとした」そうだ。そして一般市民のみなさんのアイデアで「陸上自衛隊の装備品にふさわしい斬新なニックネーム」をつけてもらいたい、ということだ。

で、陸上自衛隊の「装備品」とはいったい何かというと、9mm機関銃、自走120mm迫撃砲、高射機関砲、装甲戦闘車、地対空誘導弾、地雷原処理車両、果ては多連装ロケットシステムまで。
装備品。

しかもそれぞれの装備品にこのサイズの画像が用意されている。

愛称採用のあかつきには記念品がもらえるそうだ。何だろう記念品。想像もつかない。でもほしい。かなりほしい。

当家にはなぜあるのかわからないが陸自中部方面隊のテレカがある。震災の瓦礫を片付けている隊員達のテレカだ。そんな記念品だったらなおほしい。

だからちょっと考えてみた。米軍の迎撃ミサイルがパトリオットなら、自衛隊のロケットシステムはストーカーでどうだ。「愛国者」がやって来るより「変質者」が来る方が百倍怖いはず。
採用・・・・されないだろうか。


愛称募集は11/10までなので、ページが存在するのも長くないと思われる。ぜひ今のうちに。



ぱわれす でいず 31 いたメール篇 00/10/16

会社名義だったケイタイを個人名義に変更したら、今までのiModeアドレスが使えなくなった。
仕方なく新しく申請したのだが、運良く(とその時は思った)"marico"というアドレスが空いていた。で、迷わずmaricoを採用したのだが、なぜそんなありがちなアドレスが空いていたのかすぐにわかった。
変えたとたんに知らない男からメールががんがん来るのだ。
「メル友になって」「電話番号教えて」「京都の30歳です」
・・・・
手当たり次第適当な女性名を入力してメール送ってるのか。いじらしくなるくらいなおバカ達だ。

統計的に立証してみる。
iModeの女性利用者で、安易に「名前」をアドレスにしているウカツ者全体を100とする。そして彼女たち全員にこのおバカ達がメールを出せたとしよう。彼らのターゲットを18〜24歳女子と仮定すると、その層のシェアが16%(潟潟Tーチ&デベロップメント 2000年5月調査による)。
そしてそれが「かわいい子」である確率を思いっきり多めにとって20%としても、16掛ける20%で3.2。またその子がフリーで、そんなメールに応えるほどヒマである確率はさらに低く、仮に10%としても0.32。1000回送って3人。
まさに「せんみつ」だ。

それでも来る。毎日来る。名前はmaricoでもその実像は福島区の38歳だってのに。人生ってのは不条理なものなのだ。

しかしなんだか彼らに悪いような気がしないでもないので、もうちょっとこのおバカ達の習性を観察したらこのアドレスは早々に放棄しよう。
で、絶対に幻想を抱かれないようなアドレスを今考えているところである。



ぱわれす でいず 30 地震篇 00/10/8

鳥取の大地震で大阪も大揺れだった。

昼休みが終わって、さぁ午後の仕事でも始めましょうかい、という時刻。私はビル8階のオフィスにいた。ラーメン構造っていうやつだろうか、大きな振幅でビル全体がふんにゃーふんにゃーと横揺れする。「ラーメン」というコシなさ気な語感がぴったりの揺れ方。まるで海の上にいるようだ。まさしく大船に乗った気持ちだが、ぜんぜん安心じゃないぞ。

窓から見える高いビルもみなふにゃふにゃ揺れている。非常にシュールな光景だ。しかもいっこうに収まらない。
社内には防災担当者もいるはずだが、みんな口々に「揺れてるー」「揺れてるー」とそのまんまなことを口に出すだけの烏合の衆と化している。船酔いする軟弱者も出現。
そんな中で「なんでみんな逃げへんの?!ここにおってええの?!」と問題提起するT嬢。えらい。

去年建ったばかりのこのビルはどこより安全だろうが、先の震災で「半壊」認定を受けているウチのボロ家が心配だ。もともと傾いていたのを地震のせいにして勝ち取った詐欺まがいの半壊認定だが、「住んでること自体危険」と判定されたことには違いない。申し訳程度に補強工事をした大工さんにも「今度来たらあきまへんで」と太鼓判を押されている。

やっと揺れが収まって、TVで情報も確認して、めいめい仕事に戻りかけても、「石井ン家だいじょうぶか」「アンタは帰った方がいいんちゃうか」と一人だけ被災者扱い。やはりみんなもそう思うのか。

家はなんとか無事だった。ドアも開いたし、水も出る。まずは安心。
ただ不思議なことにずっと止まっていた柱時計が動き出した。揺れがネジ巻いてくれたんだろうか。ボーンボーンと懐かしい音で、見当違いな時間を教えてくれる。1時間に10分狂う欠点までは直してくれなかったようだ。
* * * * *
10/16追記
無事だと思ってたのだが、3日後に大雨が降った。すごい雨音・・・と思えば、雨は家の中に降っていた。滝のように。ますます家の中と外の違いがなくなってゆく日下ハウスであった。



ぱわれす でいず 28 弟の結婚篇 00/9/23

先週弟の結婚式があった。
何を着るべきか悩んでいた私は結局「イブニングドレス」で出席した。よく考えれば30代以下の女性は花嫁の他はだけだ。ピンクの髪でチャイナドレスの姉とバランスを取るためにはベリーダンサーの衣装でもいいくらいだ。
ちなみにパワービルダーの新郎は礼服を肩幅で合わせたためシークレットブーツを履かされていた。

さて式の模様だが、新郎新婦の職場がカメラ関係ということで、機材フル装備の撮影軍団がチャペルにひしめくこととなった。
それをじろりと見渡した神父さんが、列席のみなさんに申し上げます、と声を張り上げたのでみなはっとしたが、「撮影の方は祭壇だけは登らないでくださいね。あそれからケータイはマナーモードにしてください。」
世慣れた神父さんだ。

式が終わると親族の会食。親族だけなので、司会進行は新郎新婦。新郎新婦の紹介も新郎新婦。挨拶に立つ人も聞く人も全員が関係者なので、誰が誰に対しておめでとうを言ってるのやら、誰に敬語を使っていいものやら、てんで訳の分からないことになっている。
クライマックス、両父親が婚姻届の保証人欄にサインをする、というセレモニーがあったが、ウチの父は捺したハンコの印影が気に入らなかったのか二度も三度も捺し直す。縁起面でどうなんだろうかそういうの。

私自身はしたことがないが、結婚式は楽しい。どんな式もそれぞれにおもしろいし、みんな幸せそうなのがいい。特に今回はかわいい妹ができた。私も幸せだ。
* * * * *
ところで今日はオリンピックでサッカー、国内では巨人が優勝を決めるかという日本中が盛り上がる日であるにもかかわらず、当家では「大魔神怒る」(62年大映)を見ていた。「サッカー・・・やきゅうー」と抗議していた私だが、意外にも「大魔神」は大傑作だった。最後には「出た大魔神ー」「大魔神強いー」と一家で大騒ぎ。
やはり国中が盛り上がる日であった。
* * * * *
と思ってたら、翌朝新聞を見るとトルシエジャパンもジャイアンツも負けていた。盛り上がってたのは当家だけだったか。(9/24追記)


ぱわれす でいず 27 着メロ篇 00/9/12

正直に言うが、私は着メロ、つまりケイタイの着信音を最新ヒット曲やアニメソングなどに設定することを「ちゃらけた行為である」と思っていた。誰かの着メロがひとくさり聞こえるとつい続きを口ずさんでしまうのも情けない。電話なら電話らしくルルルと鳴っていればよいのだ。「笑点」のテーマなんぞが鳴り響いた時にゃあ、どんな緊迫した場も一気にすっちゃかすちゃらかだ。
とにかく着メロ設定など大人のするこっちゃあないと思っていたのである。

iモードだってそうだ。何が悲しゅうてあんなコマイ画面で今日の恋愛運を見る必要がある。わざわざ外で。
ケイタイ文化などすべからく軽薄なものだ。
それに広告を載せる商売をしていながら、実はずっとそう思っていた。

しかし、iモードにできたのである。E.YAZAWAの公式サイトが。
立ち上がったその日に、内容も見ずいきなりマイメニュー登録。月300円。一瞬も迷わない。それが「矢沢オフィシャル」である限り、矢沢ファンは「内容確認」とか「お試し」などという永ちゃんに失礼なことはしないのだ。

それにしてもすばらしいサイトである。毎日「矢沢語録」が追加されていく。そんなにストックがあるのか、と驚くにはあたらない。向こう3年はネタに困らないだろう。矢沢が言うかぎりどんなことでも名言だ。ちょっと長いのでここに引けないが、第一日目の名言は矢沢の半生記「成り上がり」から高校時代の私が日記に書き写した言葉だった。
ちょっとイタい。

ということで、私はケイタイを置き忘れなくなった。ちょっとした打ち合わせや昼の外食にも必ず持っていく。そうしないと、万一間違い電話でもかかってみなさい。私のデスク上で「ファンキーモンキーベイビー」が鳴り続くのだ。
フルコーラス。



ぱわれす でいず 26 ステテコ様篇 00/9/3

約3ヶ月振りに会社に行き始めたはいいが、仕事が全然なく、「ヒマで死にそうじゃー」とウソブイたとたん、D難易度の仕事が雨あられと降ってきた。天にツバキした報いか。神様はやはり聞いている。

ところで、唐突で恐縮だが、今回は「ステテコ」について語りたい。
みなさん、いま巷の女性たちの間で、深ぁく、静かぁにステテコが流行っているのをご存じか。それも、ただの流行りではなく、信仰の域に達した熱狂的支持だという。
もちろん市場ではおおっぴらに「ステテコ」と名乗ってはいない。「クレープ地のロング丈タップパンツ」とかなんとか、無難な呼び方で逃げ切ろうとしているが、実体はステテコだ。どう見ても。

これが流行っているときいて、んなアホな、といったとたん、ステテコ信者の友人からメールが届いた。
その内容がすばらしく説得力に富み、感動的ですらあったので、ここに全文引用する。

表題:「ステテコ様をなめたらあかんで」
ステテコ様は地肌が擦れ合うのを防止してくださる優れもんでいらっしゃる。
短パンはどうしても太股がくっつくやんか、でもステテコ様ならある程度の長さがあってそれを阻止してくださり、長さがあってもサラサラ涼しいという日本のムシムシ気候にとてもマッチした素材で、快適な下着ライフを提供くださっておるんじゃ。
ワシの回りも徐々にステテコ様信仰が広まりつつあり、妹、おかんをオルグして転向させたで。
いしいさんももうすぐや。
ここで「ワシ」と言っているのは、ちょっと前・・・15年ばかり前の在阪マスコミ界では少々名の知れた女性である。今でもとてもオシャレで外から見ればかなりイケている。なのにステテコ。

みなさんの周りの、キュートな素足のあのコも、翻るスカートの下はステテコ、であるかもしれない。気をつけた方がいい。
isiiは・・・ちがうけど。



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