ぱわれす でいず 41 年の瀬と日下ハウス篇 00/12/31 20世紀も押し詰まるところまで押し詰まった。 私は実家へおせちを作る母を励ましに行き、家人は黒門市場へフグを買う人を見に行った。世紀末と言えど、例年通りの淡々とした年の瀬・・・・と思ったら、帰ってみると日下ハウスにはカメルーン人6名を含む20代から60代までの人々がひしめいていた。 今年もたくさんの人に来てもらえた日下ハウスだが、最近傷みが激しい。年明け早々にも修理をしなければ。 出入りの大工さんは、いい人達なのだが、やることが少々大胆で困る。外壁が変形してるのでちょっと見といてください、と頼んだら壁をいきなり引っ剥がす。樋を直してくださいと頼むと作業にじゃまな庭木を切り倒す。帰宅して「あーーーーー!!!」ってことがしょっちゅうだ。 日中家にいないので鍵を渡しているのだが、予告もなくいきなり上がってこられるのにも閉口する。大工さんは朝が早い。8時半といえば私の生着替えの真っ最中。お互い迷惑この上ない。 またそんな日々が始まるのかと思うと憂鬱である。今度は天井裏に入ってもらわなければならない。2階の柱がめちゃくちゃに傾いてきたので見てもらったが、錘を吊してみて言うことには、「この柱はだいじょうぶだっせ。目の錯覚ですわ、周りがみんないがんどるんで。」 だいじょうぶに分類するなそういうのを。 来年も、10年後も、20年後もこの「不思議な家」で暮らしていたい。10年後も20年後も、たくさんの人にこの家で飲んで食べて寝て、歌って踊ってものを壊して楽しく過ごしてもらいたい。だからがんばってメンテします。みなさんのおかげで楽しい1年でした。ありがとうみなさん。 ということで、今世紀のぱわれす・でいずは今日で終了。明日から始まる日々も、とほほでたのしいpowerless daysでありますように。 |
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ぱわれす でいず 40 クリスマス篇 00/12/23 世間は今世紀最後のクリスマス。 しかしまるで意欲に欠けた私である。イブ・イブの今日、芦田淳のスーツを着て花束を抱えてヒルトンの最上階で男性と食事をしている私は気合いの入りまくった人と見かけ上は変わらないわけだが、その実は同窓会の集まりが悪かっただけなのであった。芦田淳と花束は友人の結婚式の流れ。気分はまったくニュートラルだ。 私がクリスマスに何の関心もないのはひとえに親の教育の成果である。家にクリスマスツリーなどなかったし、ファミリーパーティをした覚えもない。サンタさんだけは不憫に思ってか2・3度は来てくれたような気もするが、すぐ来なくなった。 本来日本人にクリスマスなど関係ない。みんな何か勘違いをしているのだ。惑わされてはいけない。そういう親の態度が今の私のクリスマス・クールな人格を形成したのだ。 しかし今考えてみるとそれは深遠な戦略であったような気がしないでもない。「ひなまつり」には「うちには男の子がいるからおひなさまは飾っちゃいけないの」とさとされ、「こどもの日」は「うちには女の子がいるから鯉のぼりは上げられない」と言われたような気がする。「七五三」は徹底的に黙殺された。 「節分」だけはまじめに取り組んでいたが、それは安上がりだったからではないのか。 おかげでクリスマスのみならずバレンタイン、誕生日、父の日、母の日、結婚記念日、あらゆる紋日を忘れる人間になってしまった。明日もただの日曜日。あえて言えば「お洗濯の日」。他に用事もないので昼まで寝てラグビーのビデオ見るか。 これもたのしいクリスマス。 |
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ぱわれす でいず 39 社内用語篇 00/12/16 今朝の毎日新聞でひろった脱力。 みずほファイナンシャルグループは15日、第一勧業、日本興業、富士の再編に向けて、バラバラだった3銀行の行内用語を統一し、統一用語集(第一版)を配布した。 行内では「文化の統一だ。足を引っ張り合う構図はなくなる」との期待がある反面、「言葉が通じるようになっただけ」との冷めた見方もある。 現場では「同じ日本語なのにこうも違うのか」と文化の違いを改めて痛感する声も出ている。 新聞って何でこんなにおもしろいんだ。でもそれよりおもしろいのが銀行。 たとえば顧客への預金勧誘、つまり営業だが、一勧は「セールス」、興銀は「セールス・営業」の他「持ち込み」「慫慂」、富士は「工作」。 なんですか「慫慂」って。生まれて初めて見たぞこの漢字。なんて読むんだ。それから富士。工作だったのかあれは。あの人達は工作員か。「支店長、工作成功です!」「今年の工作員は優秀だな」 それから“長い間使われていない預金口座”は一勧が「不活動口座」、興銀が「睡眠預金」、富士が「不動口」。 “貸金庫の箱”は一勧「貸金庫ボックス」 興銀「貸金庫函」 富士「貸金庫マス」。 文化の違いというより、センスのズレじゃないだろうか。 しかしこの中ではいちばんあか抜けた広告をしていた富士銀行がいちばんヘンで、キューピー人形に民族衣装を着せていた興銀がまだふつうだったとは。広告には騙されるなと言うことだ。 上記の用語は順に「セールス」 「睡眠預金」 「貸金庫ボックス」に統一されたそうだ。これで足の引っ張り合い(することを前提にしてるのがまたトホホ)がなくなればいいが。 それから「慫慂」は「しょうよう」と読むそうで、「他の人が勧めてそうするように仕向けること」。大辞林より |
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ぱわれす でいず 38 後悔の風呂篇 00/12/09 冬と呼ぶには未熟な中途半端な気温の日が続くが、12月1日、新地の路上の黒服のお兄さん達が一斉にコート姿になった。そういう慣習なんだろうか。高校の衣替えみたいだ。みんな同じかっこだし。 暖かい日が続くせいで、なのかどうか知らないが、まだ当家の風呂場になめくじが出る。なめくじのことは以前も書いたが、風呂場のなめくじは床のタイル柄に擬態したり、シャンプーのボトルにへばりついてたり、実にタチが悪い。 遅くまで飲んで帰った夜、あー早くお風呂入って寝よ、と湯船のふたをとると、なんてこったい、沸かし立ての湯の底に溺れてふやけたなめくじが。 今私は酔ってるから気づかなかったってことにしようか。でもこいつをすくって捨てんと。それも気づかなかったことにできるか。無理だ。じゃここを山奥の露天風呂と思ってみたらどうだ。露天風呂なら猿と混浴。なめくじどころかムカデやヘビも沈んでるだろう。そうだここは山奥。 ・・・・だめだ。思えない。 でも今から焚き直す気力はない。寒い。お風呂に入りたいよー。でもなめくじがー。 ここで私のアドマン魂(根性)が目覚める。どんな難局にも打開策を提案してクライアント(誰だよ)を説得するのがアドマン。 不幸な出来事ですが、起こったことは仕方ありません。ここは折衷案として、水を半分抜いて半分足して「薄める」のはいかがでしょう。それでも気になる? 後でシャワーを浴びればよいではありませんか。何か問題あります? 早く寝たいんでしょ? 風邪ひきますよそんな格好じゃ。 ・・・自分に説得されてしまった自分が、今思い出しても情けない。I took a bath with a slug. 翌朝、家人(早起き。かつ朝に風呂に入る人)に忠告したときは遅かった。しかし家人は「へえ、そう」と何事もなかったように出かけていった。 |
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ぱわれす でいず 37 ポケモン篇 00/12/03 ポケモンをやっている。 何で今ごろ。何でその歳で。Don't ask me. 説明がめんどくさい。 もともと私はゲーマーでは全くない。今までにやったことあるゲームといえばインベーダーゲーム(知ってるかな?若いキミ達)。それも最後まで1000点出せなかったという筋金入り。しかも「地図が読めない女」なので、ガイドブックと甥っ子がいないとちっとも先に進めない。 それできわめて不熱心に、しかしなぜか毎日、歩いて歩いて、戦って戦って、コガネシティだモーモー牧場(まだそんなとこかい!)だと旅をしている。 そうするといつの間にか日常の思考にポケモンのシンタックスが混ざってくる。 会社で打ち合わせなどしながら、この人「ほのお」タイプやなー、彼は「どく」系・・・とか、お客とすれ違いざま、「あ、むしポケモン発見!」などとつい考える。 プレゼンテーション前で「もう徹夜二日目やー」とへろへろになっているスタッフに、「だいじょうぶ?」と心配して見せながら、心の中で「今なら"みだれづき"一撃で倒せるな」 「モンスターボールで捕まえるか」などと思っている。いかんいかん。 しかし実際よくできたゲームで、大人も笑える遊びがいろいろ仕掛けてある。たとえば戦闘の「わざ」。 「いばる」・・・相手をこんらん状態にするが、こうげき力も2段階上げてしまう 「うたう」・・・相手をねむり状態にする 「がまん」・・・受けたダメージを倍にして返す 「ふくろだたき」・・・てもちのポケモン全員で相手をこうげきする その外、「やつあたり」「じたばた」「こわいかお」「からにこもる」etc. いちばん笑ったのが「みねうち」。相手のパワーを必ず1だけ残すそうだ。 あなどれない任天堂。気がつけばケイタイに「チコリータ」のストラップをつけている私であった。 |
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ぱわれす でいず 36 HP攻撃篇 00/11/25 このところ色んなHPを作るのに忙しく、自分のHPがお留守になっていた。 HPが作れるというのは、文字通り「武器」になる。 形勢が不利になったら「HP作るぞ!」と脅す。「サーチエンジンに登録して世界に公開してやる!」 「わーそれだけはー」 究極の脅迫だ。これでたいがいの人間はひるむ。 はずだった。 先日パーティイベントのアルバムHPを作った。酔っぱらってピンクレディを踊りまくるD嬢の連続写真をバンバン掲載した。本人は全然覚えてないシーンだ。 実は小心な私は「こんな写真出してええかなー怒らへんかなー」と内心ちょっと心配だった。 しかし翌日のD嬢、「ありがとうございます! 親に見せたいからフロッピーでください!」 HP攻撃、大物には通用せず。 |
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ぱわれす でいず 35 月の暦篇 00/11/11 もうカレンダーを買う季節だ。 カレンダーがいかに大切なものか、みなさんはちゃんと認識されているだろうか。 それほど大切なカレンダーだが、しかし2000年は出遅れた。気づけば年が明けており、もうどこにも売ってない。唯一手に入る自分の会社のカレンダーは「ドラえもんカレンダー」。今年一年どうしよう。 それがカレンダーとして用をなさないことがわかってても、習慣とは恐ろしいもので、11月の今でも「えと次の日曜日は・・・」なんて時には必ず見てしまう。そして「しまった」と深い敗北感におそわれる。 カレンダー売り場で、来年は新世紀だし、ちゃんと用意しようね、と家人を振り返ると、家人は「そやなぁ」と言いながら上原多香子カレンダーをめくっていた。 |
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満月にあと一日の、月がいちばん美しい夜、深い森の中の庭園で私のかわいい妹が結婚式を挙げた。「銀のドレスを着た男」や「踊る応援団」たちも、月の下でシェイクスピアの妖精に見える。 きょうは旧暦神無月十六日。 夢のようにファンタジックな夜だった。 |
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ぱわれす でいず 34 小ネタでGO 00/11/05 今週はプチなぱわれすを集めてみた。 |
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aiboのオーナーたちは「AIBOWNERs(アイボーナーズ)」と呼ばれ、全国でサークルを作っているが、名古屋のオーナーは「AIBOWNyER(あいぼーにゃあ)なんだそうだ。 で、トレードマークはこれ。 |
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![]() アイボコ。 |
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三連休の中日。昼間からぼけっとTVなど眺めていると、背後でシャカシャカシャカと妙な音がする。振り返ると家人が正座して「茶を点て」ていた。 |
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家の電話が鳴り、腰の軽い家人が取った。何気なく聞いていると日本語でない言葉をしゃべっている。 「メイビーユーアーロングナンバー。ディスイズア クサカ。ノーカンパニー。」 ・・・・国際間違い電話だ。しかしいささかも動じることなく、文法を超越した会話を成り立たせている。さらに「バイザウェイ、ホワッツハプン? フェアユーコーリング?」 事情を聞いてどうしようってんだ。早く切ってあげてくれ。 ネタがないとき、日下氏は重宝だ。 |
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